大阪地方裁判所 平成３年（わ）１９５４号 判決
本店所在地
大阪市中央区心斎橋筋一丁目三番二二号
株式会社
明正産業
（代表者代表取締役 湯川正利）
本籍
大阪市中央区心斎橋筋一丁目四番地
住居
大阪市中央区日本橋一丁目四番四号
日本橋グリーンハイツ六〇三号
会社役員
湯川正利
昭和二九年一〇月二一日生
主文
被告人株式会社明正産業を罰金六五〇〇万円に、被告人湯川正利を懲役二年に処する。
被告人湯川正利に対し、この裁判確定の日から三年間その刑の執行を猶予する。
理由
（罪となるべき事実）
被告人株式会社明正産業（以下、「被告会社」という。）は、大阪市中央区心斎橋筋一丁目三番二二号に本店を置き、パチンコ店の経営等を目的とする資本金四〇〇万円の株式会社であり、被告人湯川正利（以下、「被告人」という。）は被告会社の代表取締役としてその業務全般を統括していたものであるが、被告人は被告会社の業務に関し法人税を免れようと企て、昭和六二年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度における実際の所得金額が六億六七八一万三二六二円（別紙修正損益計算書（一）参照）、課税土地譲渡利益金額が六億〇六七七万四〇〇〇円（別紙修正損益計算書（二）参照）であったのに、虚偽の不動産売買契約書を作成し土地譲渡金額を圧縮するなどの不正の行為により、その所得及び課税譲渡土地利益金額の一部を秘匿したうえ、昭和六三年二月二九日、大阪市中央区谷町七丁目五番二三号所在の所轄南税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が二億三六七七万三一六二円（ただし、申告書には、誤って二億二五九四万五四三五円と記載。）、課税土地譲渡利益金額が二七二七万四〇〇〇円（ただし、申告書には、誤って一七五三万一〇〇〇円と記載。）で、これに対する法人税額が九六四一万一一〇〇円（ただし、申告書には、誤って九三三六万三一〇〇円と記載。）である旨の内容虚偽の法人税確定申告書を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって不正の行為により右事業年度の正規の法人税額三億九三三四万七九〇〇円と右申告税額との差額二億九六九三万六八〇〇円（別紙税額計算書参照）を免れたものである。
（証拠の標目）
一 被告人の当公判廷における供述
一 被告人の検察官に対する供述調書二通
一 被告人に対する収税官吏の質問てん末書一七通
一 村上俊二（二通）、奥田哲也、中本三郎、上嶋稔（二通）、岸本良一（二通）、湯川美津（二通）、福永顯正（三通）、世良正博、林和雄に対する収税官吏の各質問てん末書
一 瀬野龍也の検察官に対する供述調書二通
一 収税官吏作成の検察官調査書一〇通
一 収税官吏作成の脱税額計算書
一 南税務署長作成の証明書（記録中の証拠等関係カード〔検察官請求分〕記載の番号２）
一 検察事務官作成の捜査報告書
一 登記官作成の登記簿謄本一一通（同番号59ないし69）
（法令の適用）
一 罰条
被告会社について 法人税法一六四条一項、一五九条一項、二項
被告人について 法人税法一五九条一項
二 刑種の選択 被告人について 懲役刑選択
三 刑の執行猶予 被告人について 刑法二五条一項
（出席した検察官森本和明）
（裁判官 福井一郎）
修正損益計算書（一）
〈省略〉
修正損益計算書〔土地譲渡にかかる譲渡利益金額計算書〕（二）
〈省略〉
税額計算書
〈省略〉